コンセンサスを気にしてはいけない！

ずいぶん前の話だが、後輩から株式を購入するときに

「コンセンサスは気にしないんですか？」

と質問されたことがある。

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【Ｘ社の来期業績予想】	売上高	経常利益	純利益
Ａアナリスト	3,500	500	400
Ｂアナリスト	3,700	550	450
Ｃアナリスト	3,000	350	290
コンセンサス（平均）	3,400	467	380

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「気にしていない」
と答えた。

率直に言うと、コンセンサスを気にしてはいけない。

コンセンサスは「アナリストたちがこの企業の業績がこうなるに違いない」、あるいは「こうなってほしい」という数字の集まりでしかないので、「これが正しい」という確証はどこにもない。

コンセンサスに対する有力な見解を紹介する。

オークツリー・キャピタルの創業者、ハワード・マークス「投資で一番大切な２０の教え」から。

（以下、引用）

「すばらしい投資成績を達成するには、資産の価値についてコンセンサスとは違う見方をしなければならず、しかもそれは正確でなければならない。これは簡単なことではない。」（23ページ）


「市場価格がまちがっていることが多い。情報、そしてそれを分析した結果へのアクセスに大きなばらつきがあるため、市場価格がしばしば本質的価値を大幅に上回ったり、下回ったりする。」（34ページ）


「実際、人々はリスクに関して、リターンの場合と同じくらい過ちを犯す。『手を出すには危険過ぎる』というコンセンサスが幅広く形成されているとき、そのほとんどはまちがいである。たいていの場合、真実はまったく逆なのだ。
　投資リスクは、最もリスクがないと思われているところで最も高くなっている、と私は確信している、逆もまたしかりだ。」（105ページ）


「同調圧力と金銭欲の組み合わせは、幾度となく人々の主体性と懐疑主義を奪い、生来のリスク回避志向をねじふせ、筋の通らないことを信じ込ませる働きをしてきた。」（150ページ）

（引用、終わり）

（出典：ハワード・マークス著・貫井佳子訳「投資で一番大切な２０の教え」（日本経済新聞出版社・2012年）

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ちなみに、最近では2014年第2四半期の日本のGDP（速報値）は「実質▲1.6％（年率）」であったが、民間調査機関は全てプラス予想で、マイナスを予想した会社は１つもなかった。

民間調査機関は「プラスになってほしい」と期待したのかもしれない。

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