http://shikakenin.blog.shinobi.jp/%E8%B3%87%E7%94%A3%E9%81%8B%E7%94%A8/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E6%8A%95%E8%B3%87%E3%81%AE%E5%A4%B1%E6%95%97%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AF%EF%BC%887873%EF%BC%89株式投資の失敗ーアーク(7873)
アーク(
7873)に投資し、今までの投資で一番大きな損失を出した(
695,255円)。
その失敗を振り返る。
アークという会社を知るきっかけは「
日経ビジネス」の特集記事だった。
以下の記事などを読んで「この会社は潰れなさそう」と思ったのかもしれない。
「
特集 楽天、ライブドアでは分からない 成功する 第3章(2005/12/05号)」
「
アーク(金型・樹脂部品の試作・製造) 連邦経営、放任から管理へ(2007/01/08号)」
「
見えざる強さに成長持続の突破口 「顧客のために」が自らを鍛える-特集 なくてはならない 最強の裏方カンパニー まとめ(2007/01/29号)」
確かにアークは今も会社は続いているので、「潰れなさそう」というのは間違えていない。
ただ、買う時点の株式価値が割安であったかどうかというと当時の私の見込みは相当甘かったと言わざるをえない。
また、金型は「製造業の強みの源泉」と考えていたため、金型市場が海外(中国・韓国)の安値攻勢で将来性があまりよくなかったのを見落としていたのかもしれない。
【購入から売却までの記録】
2007(平成19)年2月5日 1,670円で100株購入。
2007(平成19)年3月5日 1,450円で100株購入。
2007(平成19)年7月3日 配当1株当たり7.5円、うちみなし配当金0.175円。
2007(平成19)年9月10日 800円で200株購入。
2007(平成19)年11月27日 400円で300株購入。
2008(平成20)年9月4日 199円で1000株購入。
2008(平成20)年10月10日 73円で300株購入。
2009(平成21)年12月2日 56円で800株売却。
2009(平成21)年12月3日 61円で1,200株売却。
695,255円の損失
(配当を除く、売買手数料を含む)。
2007年2月に「1株・1,670円」で購入したのは
1株当たり株主資本(PBR)が1倍割れ(2006年3月末・2445.30円)したことと、
1株当たり純利益(EPS)が170円(業績予想修正前の想定)で
株価収益率(PER)が10倍を下回ったことで割安と判断したのだろう。
だが、
売上高営業利益率が2004年~2006年にかけて、「9.4%→7.1%→6.9%」と悪化。
自己資本利益率(ROE)は「7.2%→6.0%→6.5%」で横ばい。
フリーキャッシュフローは「マイナス50億円→マイナス106億円→マイナス85億円」で一度もプラスになっていない。
M&Aを繰り返して、売上高は「816億円→1607億円→2649億円」と増加した。
しかし、純利益は「28億円→32億円→53億円」と売上高の伸びに追いついていない。
売上高・資産は増えたが、利益が伸びていないことに気づくべき。
いつかは業績は良くなると予想して、
ナンピン買いをしたものが、逆に傷口を広げた。
今から振り返ると、アークという企業、それから金型業界のことを知らなすぎたのだろう。
これからこの会社が成長するかの見通しが楽観すぎた。
売却する2009年11月ころは日経平均株価が9,000円台で、株式市場の閉そく感は強く、製造業はいゆる「
六重苦」に苦しめられていた。
自分にとって、この株式を保有し続けることは精神的に苦痛でしかなくなってきていたため、売却することで苦痛から逃れることができた。
2009年は他銘柄の株式売却で少しだけ利益が出ていたこともあり、損失を確定することで配当金の所得税・住民税は還付された。
この失敗を教訓として、企業業績を定量的・定性的に分析できないかと考え、下記の視点で分析を行うこととした。
1.自分が理解できる事業か。
2.資産・売り上げが増えているか。
3.利益は伸びているか。
4.利益率(ROE・営業利益率)は十分に高いか。
5.同業他社と利益率・利益水準は比べて高いか。
6.フリーキャッシュフローはプラスになっているか。
7.
損益分岐点比率が年々上がっていないか(コストが増えていく企業でないか)。
2.~7.については過去5年間のデータを表計算ソフトに打ち込み、定量的な分析を行っている。
また、株式を保有している企業について、業績が発表されるたびに直近のデータをファイルに打ち込んで、今後の見通しに問題がないかどうかを確認するようにしている。
1.は自分がその企業・業種を理解できているという思い込みがないかどうかをいつも考え続けているところ。
今まで投資した企業に対して①~⑦の分析を行い、理解できない業界(例えばハイテク産業)や将来の見通しがよくない、と判断した企業の株式は2009年以降、徐々に売却していった。
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