http://shikakenin.blog.shinobi.jp/%E8%AA%AD%E6%9B%B8/%E3%83%92%E3%83%88%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%80%8C%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%AA%E6%84%8F%E5%BF%97%E3%80%8D%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A6%E5%AD%98%E5%9C%A8%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%EF%BC%81ヒトには「自由な意志」なんて存在しない!
小坂井敏晶著「社会心理学講義〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉」(筑摩選書、2013)と
池谷裕二著「脳には妙なクセがある」(扶桑社新書、2013)を読んだ。
両著が共通して述べているのが標題にある、「ヒトには自由な意思が存在しない」ということである。
ヒトの行動は「周囲の環境」と「身体の状況」で決まる。
行動は「(脳内で)無意識的に行われる反射運動」で行われ、「(自由な)意志」によって行っているのではない。
ヒトは「意志」ができる前に「無意識的」「自動判定的」に何をするのかを決めている。
それでは、「意志」とは何か。
小坂井(126ページから引用)
「意志は個人の心理状態でもなければ、脳や身
体あるいは外部空間のどこかに位置づけられる実
体でもない。意志とは、ある身体運動を出来事で
はなく、行為だとする判断そのものです。人間存在
のあり方を理解する形式が意志と呼ばれるのです。」
池谷(276ページから引用)
「(前略)私たちの「自由意志」とは一体何でしょう。
意識に現れる「自由な心」はよくできた幻覚にすぎ
ない-これはほぼ間違いないでしょう。『意志』は、
あくまで脳の活動の結果であって、原因ではない
のです。」
「自由な意志」が存在しないならば、絶望しそうになるが、「希望」もある。
池谷は「よい経験をする」ことで「よい癖(反射)」がでると主張する。
また、
鈴木光司は
「なぜ勉強するのか?」(ソフトバンク新書、2006)で次のように主張している。
(34ページから引用)
「いかなるシチュエーションにおいても自我をき
ちんともち、自分の意志を発揮できる瞬間が来た
ら逃さず、これを最大限利用しようと決めました。
(中略)
意志の自由を働かせるチャンスが極めて小さい
と意識していれば、そんなにもったいないことは
できないはずです。わずかな隙間に楔を打ち込
み、腕力で広げて、自分でしかなしえない意志の
痕跡を注入しようとするはずです。不合理や曖昧
さに身を任せていたら、チャンスは失われるばか
り。」
ヒトには「自由な意志」が存在しなくても、「いい経験をする」チャンスを逃さずに行動することでいい癖(反射)を身に付けたいものです。
キーワード:自由 意志 脳 反射 自動 判定 行動 行為 経験 チャンス
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